評価基準の違いをどう活かす?|本部と店舗をつなぐ店長の役割

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sawamurakazuya41@gmail.com
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「売上や利益が伸びても今一つ本部に評価されない」

――そんな経験をしたことはありませんか?

でも、それを不満に思うのは少し違います。

おはようございます、飲食おじさんです。外食チェーンで10年間勤務、うち7年を店長として店舗の運営に取り組んできました。

飲食おじさん
飲食おじさん

会社組織にいる以上、本部は全体の数字で評価するのが役割。現場の手応えやお客からの感謝は評価軸には入りません。それが当たり前なんです。

大切なのは、不満をこぼすことではなく数字で返すこと

店長がやるべき本当の仕事は、数字に現れない現場の価値を守りつつ、本部の基準と現場の実感をつなげて成果を倍増させることです。

この記事では、

  • 本部が何を重視して評価しているのか
  • 店長が数字で返すべき理由
  • 現場の価値と本部の基準を組み合わせて相乗効果を生む方法

を解説します。

最後まで読めば「評価に振り回される側」から抜け出し、「数字を武器にする店長」への一歩を踏み出せます。

本部が重視する評価基準を理解せよ

Mission・Vision・Valueを示すピラミッド型の図

本部の物差しは「全体最適」

本部が見るのは、個々の店の雰囲気や努力ではありません。

チェーン全体を安定して回すための「売上・利益・人件費率・粗利」など、数字でしか判断しません。

「頑張った」「店の雰囲気はいい」――これらは店長にとって大事な実感ですが、会社の評価基準には入りません。なぜなら、それは全体を比較できないからです。

評価されない=“基準を満たしていない”だけ

売上や利益が伸びたとしても、それが本部の設定した計画や前年比に届いていなければ「評価されない」のは当然です。

不満を口にする前に、自分の店の数字が「本部の物差し」を超えているかを確認するべき。

評価されないのは、本部が分かっていないからではなく、まだ結果で示せていないからです。

基準は変えられない、だから利用する

「本部の基準は厳しい」「現場を見ていない」――そう思う気持ちは分かりますが、基準そのものを変えることはできません。

ならば逆に利用しましょう。

基準を理解してクリアすれば、誰もあなたに口を出せなくなります。

評価されるかどうかで悩むのではなく、基準を攻略すること自体をあなたの武器にするのです。

本部が評価に使う主要数字の一覧

評価基準内容本部が見るポイント
売上前年比・計画比店舗の成長度合い、目標達成率
粗利益率売上から原価を引いた割合利益が安定しているか
人件費率売上に占める人件費の割合効率的に運営できているか
廃棄率食材ロスの割合無駄をどれだけ抑えられているか

評価されないと感じたら、まずは基準をクリアする数字を目指しましょう。結果で示せば、自然と評価はついてきます。

飲食おじさん
飲食おじさん

店舗スタッフが大事にする基準

飲食店の前で笑顔で並ぶ店長とスタッフ

お客の声と笑顔が最大の成果

店舗にいるスタッフにとって、最も分かりやすいのは「お客からの反応」です。

「美味しかった」「ありがとう、また来るよ」

という言葉や笑顔は、直接の評価であり、スタッフの誇りにもつながります。

数字には残らなくても、現場を支える大きな力です。

チームの雰囲気と働きやすさ

スタッフは「売上が何%伸びたか」よりも、

「この店で働きやすいか」「仲間と気持ちよく動けるか」

を強く感じています。

雰囲気が悪ければミスや離職につながり、逆に雰囲気が良ければ自然に売上もついてくる。

現場にいるからこそ分かる“空気”が、スタッフの基準なんです。

日々の達成感と承認

「今日のピークを事故なく乗り切れた」「新人が一人前に接客できた」

――こうした小さな成功体験も現場にとっては大切な成果です。

これらは本部評価には反映されませんが、スタッフのやる気や定着には直結しています。

数字以上に「続けられる環境」をつくるための基準なんです。

スタッフが感じる“日々の成果”の例

スタッフが重視すること具体例
お客からの反応「美味しかった」「また来たい」という言葉や笑顔
チームワーク・働きやすさ仲間と協力できる、気持ちよく働ける
達成感忙しいピークを無事に乗り切れた
成長実感新人が接客できるようになった、調理を任せられるようになった

お店で働く人は、数字も見ていますが、それ以上に“日々の手応え”を大事にする傾向があります。お客の笑顔や仲間との達成感――そうした実感が、続けて働く力になるんです。

飲食おじさん
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店長は“翻訳者”として相乗効果をつくる

歯車が描かれた木のブロックが糸でつながるネットワークのイメージ

数字を“人が理解できる言葉”に変える

本部から降りてくる数字は、そのままではスタッフには響きません。「売上前年比+5%」と言っても現場にはピンと来ない。

それを

「お客さんが1日あと10人多く来てくれること」

「ドリンクをあと1杯提案できれば達成できる」

と翻訳するのが店長の役割です。

数字を日常の仕事に結びつければ、スタッフは行動しやすくなります。

お店の声を“数字”に変えて本部へ伝える

逆に、店舗での工夫やお客の声は、そのままでは本部に届きません。

「雰囲気が良くなった」や「スタッフの定着率が上がった」という感覚を、

離職率の低下

アンケートの改善点

廃棄率の減少

といった数字や事例に落とし込めば、本部も評価しやすくなります。職場の価値を数字に変える“通訳”ができる店長は強いです。

両方をつないで“相乗効果”を生む

本部が重視する数字と、お店が大切にする実感。この二つを対立させるのではなく、組み合わせるのが店長の腕の見せどころです。

数字を基準にすれば方向性がブレず、実感を尊重すればチームは力を発揮する。

店長が翻訳者となることで、本部と現場の評価基準がかみ合い、結果として大きな成果につながります。

数字とスタッフの動きを結びつける流れ

本部:数字の目標を設定
店長:具体的な行動に置き換える
スタッフ:行動・改善に取り組む
店長:結果を整理し数字で報告
本部:再び評価・次の目標を設定




店長は“数字と人”をつなぐ翻訳者。どっちか片方じゃなく、両方をつないでこそ成果は倍になりますよ。

飲食おじさん
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まとめ|評価基準の違いを理解して相乗効果を生む

「まとめ」と書かれたカードと虫眼鏡の写真

評価基準の違いをつなぐのが店長の役割

本部と店舗スタッフは、それぞれ異なる評価基準を持っています。

本部は数字で全体を管理し、スタッフはお客からの感謝や働きやすさを手応えとして感じる。どちらかが間違っているのではなく、役割が違うだけです。

店長はその違いをつなぎ合わせ、数字と手応えの両方を成果に変えていく存在。そのためには一方を否定するのではなく、互いを生かして相乗効果を生むことが大切です。

この記事のポイント
  • 本部は「売上・利益・コスト」など数字中心で評価する
  • 店舗スタッフは「お客の声・働きやすさ・達成感」を基準にする
  • 店長はその違いを理解し、橋渡しをして成果を倍増させる

「自分だけが正しいと思うな。数字も手応えも役割がある。つなぐことで成果は大きくなるんです。」毎日“本当に”おつかれさまです。

飲食おじさん
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外食チェーン出身ブロガー
飲食店の採用・教育・接客・売上管理を、仕組みで改善するノウハウを発信。外食チェーンの現場で培った経験をもとに、店長・スタッフの悩みを解決します。愛読書:ドラッカー全般(時代を超えて揺るがない普遍の経営哲学が大好きです!)
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