店長は「全部やらない」勇気を持て｜責任の線引きで判断力が変わる

――そう感じながら毎日を過ごしていませんか？多くの店長が、責任感の強さゆえに“全部を抱え込む”働き方を続けています。

しかし、すべてを自分でやるほど、判断に余裕がなくなり、店全体の動きも鈍くなっていくのが現実です。

「おはようございます、“飲食おじさん”です。外食チェーンで10年間勤務、うち7年を店長として店舗の運営に取り組んできました。」

飲食おじさん

本記事では、店長が「やらないこと」を先に決める意味と、責任を正しく線引きする考え方を解説します。

✅ この記事を読むメリット

最後まで読めば、「全部やらない」と決めることが、実は最も責任ある選択だと気づくはずです。

なぜ店長は「全部やろう」としてしまうのか

責任感が強い人ほど「抱え込みやすい」

多くの店長は、誰よりも店を大切に思っているからこそ、自分が一番動こうとします。

この「守りたい気持ち」が、次第に「全部自分でやる」に変わります。

一見まじめで良い姿勢ですが、結果として店長がボトルネックになり、チームの成長を止めてしまうことがあります。

「できること」と「やるべきこと」が混ざる

長く店にいるほど、経験も判断力もつきます。だからこそ、周囲から頼られ、自然と作業が自分に集まってきます。

本来、店長の仕事は判断・指導・確認ですが、気づけば仕込み・レジ・発注まで抱え込んでしまいます。

　 境界線を意識しないまま動くと、忙しさが常態化し、考える余裕がなくなります。

「忙しい店長」が評価される構造

会社や上司から見て、“いつも動いている人”は努力家に見えます。しかし、本当に成果を上げているのは「考える時間を確保している店長」です。

短期的には“何でもやる人”が頼もしく見えても、長期的にはチームが育たず、仕事が店長に集中する。

　 評価制度や文化が「働きすぎる店長」をつくっている側面もあります。

成果を出す人は「自分の責任を絞っている」

成果を出す店長ほど、最初に「自分が見る範囲」を決めています。

何でも引き受けるのではなく、どこまでを自分の判断で動かし、どこからをスタッフに任せるかを明確にしている。

この線があることで、日々の判断がぶれず、時間の使い方も整理されます。

頑張るほど仕事が増える。それは仕組みではなく“癖”です。やるべきことを選ぶ勇気を持ちましょう。

飲食おじさん

責任とは「すべてを背負うこと」ではない

責任を“行動量”と混同している

店長の中には、「自分が一番働いていれば文句は言われない」と考えている人がいます。しかし、働く量と責任の重さは比例しません。

本来の責任とは、状況を把握し、判断を下すこと。どれだけ手を動かしても、判断が誤っていれば意味がありません。

「任せること」が責任放棄ではない

任せることを怖がる店長は多いものです。失敗したら自分の責任になる、という不安が先に立つからです。

しかし、責任とは「失敗の責任を取ること」ではなく、「結果を確認し、次に活かすこと」。スタッフが失敗しても、再発防止の仕組みを整えることが店長の仕事です。

責任の線を引く3つの基準

責任を明確にするには、どこまでを自分が関与するかを決めておく必要があります。

この3つだけを店長の責任範囲とすれば、過剰な抱え込みはなくなります。日常の作業や小さなトラブルは、スタッフに任せても十分対応可能です。

店長の責任範囲と任せる範囲の整理表

人を通して結果をつくるのが店長の仕事

優れたマネージャーほど、「自分の手で何とかしよう」とは考えません。成果を求めるのではなく、人が動ける環境を整えることを重視します。

この意識を持てるかどうかで、店の安定度は大きく変わります。

責任は“抱えること”じゃない。“見届けること”です。人を信じて任せた分だけ、店は強くなります。

飲食おじさん

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「やらないこと」を決める具体的な手順

✅ やらないことを決めると、判断が早くなる

忙しい店長ほど、「どれも大事」に見えてしまいます。しかし、すべてに手を出すと、どれも中途半端になります。

最初に「やらないこと」を決めると、迷う時間が減り、判断が速くなります。

たとえば、

このように線を引くことで、自分の時間を取り戻せます。

✅「やらないリスト」を作る

まず1週間の行動をすべて書き出します。そこから「自分でなくてもできる仕事」を抜き出し、リスト化する。

すぐに任せられない場合は、手順書や引き継ぎノートを用意しておくとよいでしょう。

この整理ができると、毎日の負担が一気に軽くなります。

✅「任せる」ことを仕組みにする

一度きりの“お願い”ではなく、再現性を持たせる。

これを繰り返すことで、店長が直接動かなくても仕事が回る状態に近づきます。

判断の手を離すことは、責任を手放すことではありません。「人を動かす仕組みを残す」ことこそ、店長の役割です。

やらないことを決めるのは、サボることじゃありません。任せる形を作るための第一歩です。

飲食おじさん

まとめ｜店長が「全部やらない」と決めるだけでチームが変わる

責任の線引きで店長の判断力は高まる

やらない範囲を決めることで、店長の仕事は軽くなるだけでなく、スタッフの自立も進みます。自分が手を離すほど、他の誰かが動き出す。それが本当の責任の取り方です。

「全部やらなくていいんです。任せた分だけ、店も人も成長します。」毎日“本当に”おつかれさまです。

飲食おじさん

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飲食おじさん

外食チェーン出身ブロガー

飲食店の採用・教育・接客・売上管理を、仕組みで改善するノウハウを発信。現場で培った経験をもとに、店長・スタッフの悩みを具体的に解決します。 愛読書：ドラッカー全般（時代を超えて揺るがない普遍の経営哲学が大好きです！）