シフト管理

繁忙期はギリギリ、閑散期は余る──飲食店シフトを安定させる3つの考え方

sawamurakazuya41@gmail.com
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「繁忙期は毎回ギリギリ」

「閑散期は人が余ってシフト調整が大変」

そんな悩みを感じていませんか。

忙しい時期と落ち着く時期の差があるのは当たり前ですが、そのたびにシフト作りで頭を抱える店長さんは多いと思います。

おはようございます、“飲食おじさん”です。外食チェーンで10年間勤務、うち7年を店長として店舗の運営に取り組んできました。

飲食おじさん
飲食おじさん

本記事では、繁忙期と閑散期の違いを見越して、シフトを安定させる3つの考え方を紹介します。

無理なく人を配置し、スタッフの不満を減らしながら、人件費を守る方法がわかります。

✅この記事を読むメリット

  • 時期ごとの忙しさに合わせたシフトの整え方がわかる
  • 人件費のムダや偏りを防げる
  • スタッフが納得して働ける環境をつくれる

最後まで読めば、「どうすれば忙しさの差に振り回されずに済むか」がはっきり見えてきます。

忙しい時期と落ち着く時期で起こる問題

バランスを取りながら複数のブロックを支える木製の人形。繁忙期と閑散期のシフト調整の難しさを表している。

お店の一年を思い出すと、「忙しい時期」と「落ち着く時期」は必ずあります。

この差があるから、シフトづくりが難しくなるんですよね。

忙しい時期は、詰め込みすぎて疲れが残る

人を増やしてなんとか乗り切る。

でも終わったあとに残るのは「やり切った達成感」よりも、どっとした疲れ。

よくある状況

教える時間がなく、新人がつまずく

慣れない仕事でミスが増える

「またこのパターンか」とベテランが疲れる

落ち着く時期は、出られない不満がたまる

忙しさが落ち着くと、今度は「出勤できない」悩みが出てくる。

勤務時間が減ると、スタッフの収入も下がりやすい。

こんな声が出やすい
  • 「最近シフト減りましたよね」
  • 「もう少し入りたいんですけど」

この小さな不満が、次の繁忙期に影響することもあります。

繁忙期と閑散期の比較一覧表

項目繁忙期閑散期店長が意識すべき点
来店数多い少ない先に客数の予測を立てる
スタッフの稼働多い・長い少ない・短いシフト配分で差を調整
人件費上がりやすい下がりやすい売上とバランスを取る
雰囲気慌ただしい緩みやすいトーンをそろえる声かけ

忙しいときも落ち着くときも、次にどうシフトを組むかを考えておく。そういう店は、慌てません。

飲食おじさん
飲食おじさん

なぜシフトが安定しないのか

不安定に積み上げられた木のブロック。飲食店の繁忙期と閑散期のバランスを取る難しさを表している。

シフトづくりで一番大変なのは、「人を入れるかどうか」よりもどんな考え方で決めるかです。忙しい時期と落ち着く時期の差が大きいほど、感覚や勢いで決めてしまいやすくなります。

ここでは、シフトが安定しない主な理由を三つに分けて整理します。

数字を見ているだけで使っていない

売上や来店数の記録は毎日出ていますが、それを次の計画に生かせていないお店は多いです。

「去年のこの時期は忙しかった気がする」──その程度の感覚で人を入れると、無駄が出やすくなります。

数字を“報告のため”に見るのではなく、“判断のため”に見るだけで、組み方はまったく変わります。

チェックポイント

前年や前月の売上と人数を比べているか

忙しかった日の要因を振り返っているか

シフト作りが人任せになっている

店長が作業に追われ、リーダーや副店長に任せっぱなしになっているケースもあります。

人によって考え方が違うため、方針がそろわず、毎回バラバラの形になる。「誰が作っても同じ基準で組める」ようにしておくことが、安定の第一歩です。

見直すポイント

シフトを決める基準を言葉にして共有しているか

経験に頼りすぎていないか

人件費の見通しが後回しになっている

シフトを先に組み、あとから「今月人件費が高い」と気づくパターンは少なくありません。

人を入れる前に、売上の見通しを立てておくこと。忙しい時期と落ち着く時期で稼働のバランスを合わせるだけで、無理やムラが減ります。

数字は“見せるため”じゃなく、“使うため”に見る。ちょっと先を読むだけで、無駄な調整はぐっと減ります。

飲食おじさん
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繁忙期と閑散期に合わせたシフトの考え方

カレンダーとノートパソコン、スマートフォンを並べたデスク。飲食店のシフト作成や繁忙期・閑散期の計画を立てている様子を表している。

忙しい時期と落ち着く時期で差が出るのは当然です。問題は、その差をどう予測し、どう準備しておくか。

ここでは、店を無理なく動かすための三つの考え方を紹介します。

① 過去の数字を見返して次を読む

前年や前月の売上、曜日ごとの来店数を見返すだけでも、忙しくなる時期はある程度つかめます。

なんとなくの記憶ではなく、数字をざっくり確認しておくだけで「次の準備」がしやすくなります。

ポイント

去年の同じ週・曜日をざっと比較しておく

イベントや天候の影響もメモしておく

忙しくなる時期を「覚えておく」より、「書き残しておく」。それだけで判断が速くなります。

② 仕事の内容ごとに人を考える

誰を入れるかではなく、どんな仕事を任せたいかを先に決めます。

ピークの時間帯は動きに慣れた人を中心に、落ち着く時間帯は新人育成の時間にする。この考え方を持つだけで、毎回ゼロから悩む必要がなくなります。

忙しい時間帯:注文・配膳・レジに経験者

落ち着く時間帯:仕込み・掃除・教育に新人

こうして「時間帯ごとの配置パターン」を決めておくと、人が入れ替わっても店の流れが乱れにくくなります。

時間帯別シフト配置の考え方(例)

時間帯繁忙期の配置例閑散期の配置例店長のポイント
開店〜昼前ベテラン1+新人1新人中心立ち上がりを丁寧に
昼ピーク経験者中心(注文・提供)最少人数で対応作業を分担して負担を減らす
昼〜夕方教育・仕込みを中心に教育・清掃時間に充てる閑散期に育成を入れる
夜ピークフルメンバー体制経験者少数で効率化負担を翌日に残さない

③ 早めに共有して納得をつくる

シフトの調整で一番揉めるのは、「知らされていないこと」。

忙しい時期も落ち着く時期も、「なぜこの形なのか」を説明するだけで、不満は減ります。

共有のコツ

  • 変更や方針を早めに伝える
  • 理由を数字や来店状況とセットで話す

説明できるシフトは、信頼されるシフトです。

シフトの安定は“予測”と“共有”。思いつきではなく考えて動けば、無理のないお店になります。

飲食おじさん
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まとめ|繁忙期と閑散期のシフトを安定させるポイント

ノートに「POINT!」と書かれたページ。飲食店のシフトを安定させるための重要なポイントを示している。

繁忙期と閑散期で忙しさに差があるのは当たり前です。大切なのは、その変化を見越してシフトを安定させる考え方を持つこと。

「そのときの対応」ではなく、「先を読む準備」をしておくだけで、お店の流れは落ち着きます。

飲食店のシフトを安定させる3つのポイント

  • 過去の数字を見て、次の繁忙期を予測する
     → 去年の同じ時期を振り返ることで、準備の精度が上がる。
  • 仕事の内容に合わせて人を配置する
     → 忙しい時間は経験者、落ち着く時間は新人育成でバランスを取る。
  • シフトの方針を早めに共有する
     → 理由を話すことで、スタッフの納得と協力が得られる。

忙しい時期と落ち着く時期、どちらも「事前に考えておく」ことで差が小さくなります。
その積み重ねが、無理のないお店づくりにつながります。

「繁忙期も閑散期も、“先を読む店長”が強い。シフトを考える時間を取ることが、いちばんの節約になります。」毎日“本当に”おつかれさまです。

飲食おじさん
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飲食おじさん
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外食チェーン出身ブロガー
飲食店の採用・教育・接客・売上管理を、仕組みで改善するノウハウを発信。外食チェーンの現場で培った経験をもとに、店長・スタッフの悩みを解決します。愛読書:ドラッカー全般(時代を超えて揺るがない普遍の経営哲学が大好きです!)
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