イベントやキャンペーン時の準備リスト|飲食店が特需日に崩れないための事前対策
イベントやキャンペーンの日は、普段とは比べものにならないほど忙しくなり、
「仕込みが足りない」
「スタッフが混乱する」
「提供が遅れてクレームになる」
といった“特需ならではの問題”が一気に押し寄せます。
「当日頑張ればなんとかなる」と思いがちですが、実際には特需日の混乱は“前日までの準備”でほぼ決まります。
おはようございます、“飲食おじさん”です。外食チェーンで10年間勤務、うち7年を店長として店舗運営に取り組んできました。

この記事では、イベント日やキャンペーン時に必要な準備リストを、現場で何度も特需を経験してきた立場から “当日崩れないための具体的なポイント” として解説します。
✅ この記事を読むメリット
- 特需日に必ずやるべき準備が“リスト化”できる
- 当日の混乱を防ぐ具体的なチェック項目がわかる
- 売り切れ・詰まり・混雑を起こさない店づくりができる
特需日は「気合いで乗り切る日」ではありません。最後まで読めば、あなたの店が “売れる日でも崩れない仕組み” を作れるようになります。
特需対応がうまくいかない本当の理由

当日対応を前提にしてしまうから
多くの店が特需日に崩れる一番の理由は、「当日なんとかする」 を前提にしてしまうことです。
通常営業では回っていても、
- 注文量
- 仕込み量
- 動線の混み方
- スタッフの負荷
これらは“特需仕様”に変わります。
しかし、多くの店はこれを軽視し、「忙しくなったら頑張ればいい」と考え、準備が浅くなります。
結果、ピークに入った瞬間に処理しきれなくなり、店全体が崩れます。
判断基準が曖昧なままピークを迎えるから
特需日に限って
と、スタッフからの判断依頼が増えます。
これらは本来、前日までに“基準として決めておくべきこと”。
基準が曖昧だと、店長はその場で判断を繰り返し、判断量がキャパを超え、
- 伝達ミス
- 対応漏れ
- 優先順位の崩壊
が起きます。
忙しい日に必要なのは「判断力」ではなく、“判断を減らす準備” です。
スタッフ配置が“平常運転のまま”だから
特需日は
新人が迷う
経験者が詰まる
ホールが人手不足になる
レジが渋滞する
など、平常時とは違う動きになります。
しかし多くの店は、「普段どおりのシフト配置」 のまま当日を迎える。結果、弱いラインに負荷が集中し、崩れた瞬間に全体へ波及します。
特需日は、“強みを持つスタッフをピークに集中させる日”という前提で組み替える必要があります。
特需日は“当日なんとかする日”じゃありません。前日までにどれだけ“判断を減らせる準備”をしたかで勝敗が決まります。

特需日に必ず行うべき準備項目

需要予測を数値で決める
特需日の準備は、まず「どれくらい売れるか」を数値で明確にすることから始まります。
曖昧な予測では、仕込み量・スタッフ配置・動線設計がすべてずれてしまいます。
- 前年同日の売上
- 同一曜日の売上傾向
- 予約状況
- 天候予測
- SNSやチラシ反応
- 周辺イベントの有無
これらを基に、「当日の目標売上は◯◯万円」と明確に定めます。
売上目標が決まると、必要な準備量が自動的に定まります。
特需日の需要予測に使う指標一覧
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 前年同日の売上 | 最も確度が高い予測材料 |
| 同一曜日の売上傾向 | 曜日ごとの客数・時間帯のクセを把握 |
| 予約数 | 早めに確定する分を加味 |
| 天候 | 来店数・テイクアウト比率の変動要因 |
| SNSやチラシの反応 | 事前の関心度・拡散状況をチェック |
| 周辺イベントの有無 | 地域需要の上下を決める重要因子 |
仕込みと在庫の優先順位を決める
特需日は仕込み量を単純に増やすのではなく、優先度をつけて準備すること が重要です。
- 確実に売れる主力商品
- 回転率を左右する商品
- 仕込み時間が長い商品
- 在庫リスクが低い商品
主力商品が切れると、特需日の売上に大きく影響します。先に“絶対に切らしてはいけない商品”を固め、そのうえで余力を他の商品に回します。
仕込み・在庫準備の優先順位
| 優先順位 | 商品カテゴリ | 理由 |
|---|---|---|
| 1位 | 絶対に切らせない主力商品 | 売上への影響が最も大きい |
| 2位 | 回転率を左右する売れ筋商品 | 提供遅延防止・回転向上につながる |
| 3位 | 仕込みに時間がかかる商品 | 当日に仕込むと処理能力を圧迫するため |
| 4位 | 在庫リスクが低い商品 | 余っても翌日に回せるため優先度は低め |
スタッフ配置を特需仕様に組み替える
特需日は、平常運転と同じシフト配置では処理能力が不足します。
配置変更は次の3点が基本になります。
特に調整役の存在は大きく、提供遅延や詰まりを未然に防ぐ効果があります。配置を変えるだけで、売上の上限が大きく変わります。
特需日に対応するためのスタッフ配置モデル
| 役割 | 配置のポイント |
|---|---|
| 経験者 | ピーク時間帯の中心ポジションに配置 |
| 新人 | ミスが起きにくい単純作業に固定 |
| 調整役 | ホールと厨房をつなぐ役割。詰まりの吸収担当 |
| 補助スタッフ | 裏方作業や補充作業に集中し、主力ラインを支える |
想定トラブルの対応を事前に決める
特需日はトラブルの種類がほぼ決まっているため、事前に対応方法を決めておくことで当日の混乱を減らせます。
- 売り切れが発生した際の案内文
- レジ滞留時の処理方法
- 受け渡し場所が混雑したときの動線変更
- 大口注文が重なった際の優先順位
- クレーム増加に備えた案内方法
特に売り切れ対応は、「◯分後に再開します」「提供時間は現在◯分です」といった説明を準備しておくと、現場の混乱が少なくなります。
特需日の準備は、当日の混乱を防ぐための土台になります。前日までに決める項目が明確なほど、当日の動きが安定します。

👉 土日の混雑を安定してさばけるシフト体制を作りたい方は、次の記事も参考にしてください。
特需当日に崩れないための運営ポイント

✅ 共有事項を最小限に絞る
特需日は、通常よりも判断と情報量が増えるため、スタッフ全員に細かい指示を出すほど動きが鈍くなります。
そのため、共有事項は「当日の鍵になる情報」に絞ることが重要です。
共有すべき内容は次の3点が基本です。
- その日のピーク時間帯
- 売れ筋商品と売り切れの可能性
- 各スタッフの役割と配置
これらを事前に明確にすることで、当日の迷いや確認作業が大幅に減り、ピーク時の動きが安定します。
✅ 動線を固定し、変化をなくす
特需日は、動線が崩れると提供遅延・混雑・ミスが連鎖的に発生します。
当日はできるだけ動線を固定し、スタッフが余計な判断をしなくて済む状態を作ります。
具体的には次のような対応が効果的です。
レジ前から提供までの通路を一本化する
裏方の通路と表の通路を分ける
出入りの多い扉付近を空けておく
商品受け渡し場所を一か所に集約する
動線が安定すると、作業の速度だけではなく、スタッフ間の衝突や滞留が減り、全体の処理能力が高まります。
✅ 店長が注視するポイントを絞る
特需日は、店長が全体を見ようとするとかえって動きが鈍くなります。見るべきポイントを絞ることで、問題の早期発見と対応が可能になります。
注視すべきポイントは次の三つです。
- 提供の詰まりが発生していないか
- レジ前の滞留が増えていないか
- バックヤードでスタッフが混雑していないか
これらは店全体の流れを左右する部分です。この三つだけを繰り返し確認することで、
大きな崩れを防ぐことができます。
✅ 売り切れ時の対応基準を統一する
特需日には売り切れや仕込み不足が発生しやすく、その対応が遅れるとクレームや混乱につながります。
対応方法をあらかじめ統一しておくことで、スタッフ全員が同じ判断で動ける状態になります。
例としては次のような内容があります。
- 売り切れ時に伝える言い方を統一する
- 代替商品の案内方法を決めておく
- 再開の目安時間を明確にしておく
売り切れ自体は避けられない場面がありますが、対応が早く丁寧であれば大きな問題にはなりません。
当日は判断の量を減らし、準備した通りに運営することが重要です。見るべきポイントを絞ることで、全体が落ち着いて流れます。

まとめ|特需日に売上を最大化するための要点

特需対応の重要ポイントを整理する
- 特需日の売上は、事前の需要予測で上限がほぼ決まります。
- 仕込みと在庫は優先順位をつけて準備すると効率が上がります。
- スタッフ配置は平常時と変え、ピークに強い体制を作る必要があります。
- 当日の運営は、共有事項と動線を明確にして判断を減らすことが重要です。
- 売り切れや混雑などのトラブルは、事前に対応を決めておくことで混乱を防げます。
特需日の成功は、当日の頑張りではなく、事前の準備で決まります。
需要予測・仕込み・配置・動線・対応基準がそろうことで、ピーク時の処理能力が安定し、売上を最大化できます。
「特需日に崩れない店は、準備の質が高い店です。前日までの準備が整っていれば、当日は落ち着いて運営できます。」毎日“本当に”おつかれさまです。

👉 人件費をムダなく使い、利益につながる体制を整えたい方は、次の記事も参考にしてください。