コスト管理

飲食店の食材ロスが止まらない理由|やっていない改善策とは?

飲食店の食材ロス削減をテーマにした記事アイキャッチ画像|厨房とスタッフの写真にタイトル文字入り
sawamurakazuya41@gmail.com
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「仕込みすぎて結局捨ててしまった」

「冷蔵庫の奥から使えない食材が出てきた」

――こんな“食材ロス”に悩んでいませんか?

多くの店で同じことが起きていますが、実はロスの多い店ほど“あること”をやっていません。

おはようございます、“飲食おじさん”です。外食チェーンで10年間勤務、うち7年を店長として店舗経営に取り組んできました。

飲食おじさん
飲食おじさん

当記事では、食材ロスが止まらない店の見落としポイントと、今日からできる改善策を具体例とともに解説します。

✅ この記事を読むメリット

  • ロスを招く本当の原因がわかる
  • 今日から実践できる削減の工夫を学べる
  • 利益を守る“仕組み”の作り方が見える

「ロスは仕方ない」と諦める前に、仕組みを変えて利益を守る方法を一緒に見直してみませんか?

悩みの現状|食材ロスが積み重なる現場あるある

食材ロスが止まらず悩む飲食店のイメージイラスト

仕込みすぎと予測外の客数

繁忙期やイベント時、「足りなかったら困る」と多めに仕込む。結果的に客数が想定より少なく、大量の食材が余ってしまう。

逆に客数が急増したときは「もっと仕込んでおけばよかった」と悔やむ。

こうした“読み違え”は現場の誰もが経験しており、毎日の廃棄につながる。

よくある“食材ロス”チェックリスト

  • ☐ 仕込みすぎて余らせたことがある
  • ☐ 廃棄の記録を取っていない
  • ☐ 冷蔵庫の奥から使えない食材が出てきたことがある
  • ☐ 誰も廃棄の責任を持たず「なんとなく」捨てている
  • ☐ 発注の根拠が「勘」や「雰囲気」になっている
  • ☐ 同じ廃棄ミスを何度も繰り返している

誰も責任を持たない「廃棄のグレーゾーン」

「これ、もう出せないよね」

と判断したスタッフが捨てるケース。

しかし廃棄量を記録せず、翌日の発注に反映されないまま同じミスが繰り返される。

ロスを“見えないコスト”として扱っている店ほど、この「責任の所在が不明」な廃棄が積み重なる。

店長自身の体験談

正直に言うと、私はロスをほとんど出したことがありませんでした。

チェーン店時代、仕込みは必ず売り切る自信があり、実際に売り切ってきました。

ただし、多くの現場を見ていると、同じようにはいかない店がたくさんあります。

予測が外れて仕込みが余る

在庫の見える化ができていない

スタッフが「まあ捨てるしかない」と判断してしまう

ロスを出す店と出さない店の差は、“気合い”や“腕前”ではなく、“仕組み”の有無なのです。

厳しいかもしれませんが、ロスが積み重なる背景には“誰も責任を持たない”という空気があります。まずはロスを“数字で見える化すること”から始めてみましょう。

飲食おじさん
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原因の掘り下げ|ロスが発生する3つの根っこ

食材ロスが発生する理由を表すイメージ画像

実は日本全体で、年間523万トンもの食品が廃棄されています。その約半分は事業系、つまり私たち飲食店も大きな要因になっているんです。(農林水産省調べ)

予測が勘に頼っている

個人店では発注や仕込みを「経験」と「感覚」で決める場面が多くあります。

チェーン店の場合はレジの売上データや過去の販売記録を活用する仕組みがありますが、それでも現場では

  • 「今日は天気がいいから多めに」
  • 「最近あのメニューがよく出ているから追加しておこう」

といった判断をします。

この“感覚の上乗せ”は決してバカにできません。現場で長く働いた人だからこそ見えるサインがあり、システムだけでは拾えない予兆を補うことができるのです。

ただし、感覚が仕組みを超えてしまうとロスが膨らみます。大事なのは 「仕組みを基準にしつつ、感覚は微調整に使う」 という位置づけです。

在庫管理のルールが曖昧

冷蔵庫に何がどれだけ残っているか、スタッフ全員が同じ基準で把握できていますか?

「見た目で大丈夫そう」

「昨日これくらいだったから」

など曖昧な判断で発注をすると、二重仕入れや古い食材の放置につながります。

在庫を「誰が見ても同じ判断ができる」状態にしないと、ロスは減りません。

スタッフ教育が不足している

現場スタッフは「食材ロス=ただのゴミ」と思ってしまいがちです。

実際には廃棄は 利益を直接削るコスト ですが、その意識を持っていない場合が多い。

「この廃棄は売上でいえば◯◯円の損失」

「スタッフ◯人分の1時間労働に相当」

と伝えることで、初めて当事者意識が芽生えます。

食材ロスを生む3つの原因(勘・ルール・教育)

勘に頼る → 「売上データを活用できていない」

ルール不在 → 「在庫基準が曖昧」

教育不足 → 「廃棄をコストと認識していない」

ロスの原因は“忙しいから仕方ない”ではなく、勘・ルール・教育が欠けているだけなんです。まずはどこが弱いかを一つ選んで見直しましょう。

飲食おじさん
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解決策|今日からできるロス削減の実践ステップ

食材ロス削減の解決策をイメージしたひらめきのイラスト

すぐできる改善(チェックリストで意識を変える)

ロス削減の第一歩は「気づくこと」です。

例えば、閉店後に「今日の廃棄リスト」を5分でつけるだけでも効果があります。

何をどれくらい捨てたか

その金額にするといくらか

これをスタッフと共有すれば、廃棄が“ただのゴミ”ではなく“数字で見えるコスト”だと理解できます。

チェックリストは紙でもホワイトボードでも十分。大事なのは “見える化” です。

仕組み化の工夫(データ+ルールで再現性を作る)

短期的な改善だけでは続きません。特に個人店では、仕込みや発注が「人の勘」に偏りがちなので、データやルールを入れるだけで大きく変わります。

過去の販売記録を見て「平均的な仕込み量」を数値化する

在庫は「誰が見ても同じ判断ができる基準(例:◯kg以下で発注)」を決める

発注は必ず複数人で確認し、属人化を防ぐ

こうしたルールはチェーン店なら当たり前ですが、個人店では「わかっているけどやれていない」ことが多いです。

また、チェーン店でも仕組みがあっても“形だけ”で運用が甘くなることがあります。仕組みを“活かして使う”ことこそ、ロス削減のカギです。

スタッフを巻き込む仕掛け(教育でコスト意識を浸透させる)

ロス削減を店長一人で抱えるのは限界があります。

「この廃棄は、アルバイト2人の1時間分の時給に相当する」

と数字で伝えると、スタッフも当事者意識を持ちやすいです。

さらに、廃棄を減らせた日は「よくやったね」と共有することで、チーム全体がロス削減をゲーム感覚で楽しめるようになります。

ロス削減の実践ステップフロー

廃棄の見える化

リスト化・金額換算

仕組み化

販売記録の活用・在庫ルール設定

チーム共有

教育・評価

ロス削減は節約ではなく、チーム全員で“利益を守る仕組み”をつくること。小さな改善を共有すれば、現場は確実に変わりますよ。

飲食おじさん
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まとめ|食材ロス削減で店の未来を守る

食材ロス削減記事のまとめを表すイメージ画像

飲食店がロスを減らすためのチェックリスト

食材ロスは「忙しいから仕方ない」ではなく、仕組み不足から生まれる

原因は「勘への依存」「在庫ルールの曖昧さ」「スタッフ教育の欠如」の3つ

改善は「見える化 → 仕組み化 → チーム共有」のステップで進める

食材ロスを減らすことは単なる節約ではありません。

利益を守り、スタッフのやりがいを保ち、お客様に安定した品質を届けるための土台です。

完璧を目指す必要はありません。まずは「一番ロスが多いポイント」を一つ決めて、改善を始めてみてください。

「ロスをゼロにするのは難しい。でも“減らせる仕組み”を一つ入れるだけで数字も気持ちも大きく変わりますよ。」毎日“本当に”おつかれさまです。

飲食おじさん
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食材ロスを防ぐには、シフト体制の工夫も欠かせません。
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外食チェーン出身ブロガー
飲食店の採用・教育・接客・売上管理を、仕組みで改善するノウハウを発信。外食チェーンの現場で培った経験をもとに、店長・スタッフの悩みを解決します。愛読書:ドラッカー全般(時代を超えて揺るがない普遍の経営哲学が大好きです!)
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