初日の研修で絶対に伝えるべき3つのこと|新人が辞めない教育の基本
新人スタッフの研修で
「何から伝えればいいのか分からない」
と悩んだことはありませんか?
せっかく採用しても、初日の研修でつまずき「思っていたのと違う」と辞めてしまうケースは少なくありません。
現場を支える店長にとって、これは大きな痛手ですよね。
おはようございます、“飲食おじさん”です。外食チェーンで10年間勤務、うち7年を店長として店舗の運営に取り組んできました。

この記事では、新人研修の初日に必ず伝えるべき3つのポイントを、現場経験を踏まえて解説します。
✅この記事を読むメリット
- 初日の研修で伝えるべき内容が明確になる
- 新人が辞めにくくなる教育の基本がわかる
- 店長自身の負担を減らす仕組み化のヒントが得られる
「教える時間がない」「何を優先すべきかわからない」と悩む前に、まずは基本を押さえて研修をスタートしてみませんか?
新人研修でよくある失敗と現場の悩み

ありがちな失敗例
新人研修でありがちなのは、「仕事のやり方」を詰め込みすぎることです。
「オーダーの取り方」「皿の持ち方」など細かい手順を一気に覚えさせようとして、新人が頭の中を真っ白にしてしまうケースはよくあります。
実際、私も店長時代に“全部伝えなきゃ”と焦ってしまい、結果的に新人を混乱させてしまった経験があります。
さらに、
という誤解から、注意や叱責ばかりをしてしまうことも失敗の一因です。
これでは新人は
「この店は怖い」
「ここで働くのは無理かも」
と感じてしまい、定着どころか初日で心が折れることすらあります。
新人の本音と離職につながる要因
新人が辞めてしまう原因は、必ずしも「仕事内容の難しさ」ではありません。
実際には
「自分は歓迎されているのか」
「ここに居場所があるのか」
が不安の正体になっていることが多いのです。
初日にその不安を取り除けないと、「なんとなく合わない」と感じて短期間で辞めてしまいます。
とくに飲食業はチームで動く仕事です。仲間からの歓迎が感じられないと、自分の存在意義を見失いやすく、離職につながりやすい現場特有のリスクがあります。
新人が辞める大きな理由は「仕事の難しさ」よりも「居場所や安心感がないこと」。厚労省の調査でも、宿泊業・飲食サービス業の3年以内離職率は高校卒65.1%、大学卒56.6% と他業種より高い水準です。(厚生労働省)
初日の空気で“ここなら頑張れる”と思えるかどうかが勝負です。仕事の手順よりも、まず安心を与えることを優先してください。

初日に必ず伝えるべき3つのこと

新人研修の初日は、細かい手順よりも「心の安心」をつくることが大切です。
具体的には、次の3つを必ず伝えてください。
① 歓迎の気持ちをしっかり伝える
新人が最初に抱える不安は「自分はここに必要とされているのか?」という点です。
そこで大事なのは、形式的な挨拶ではなく“人として歓迎する姿勢”を示すこと。
目を見て笑顔でこう伝えるだけで、新人の緊張は大きく和らぎます。
② 役割と期待を明確にする
新人は「何をすればいいのか」が分からないと、動けずに不安になります。
そこで、初日からやるべきことを絞り込み、具体的に伝えることが重要です。
- 「今日はホールで3つだけ覚えれば大丈夫」
- 「お客さまへの挨拶と、お冷の提供を中心にやってみよう」
さらに、「できなくてもいいから挑戦してほしい」と期待を添えると、新人は安心して行動できます。
③ 失敗しても大丈夫というメッセージ
初日は必ず失敗します。そのときに「失敗しても大丈夫」という空気を先に作っておくことが大切です。
「私も最初は失敗だらけだった」
「挑戦してくれるだけで十分価値があるよ」
こうした言葉を添えることで、新人は心理的に守られていると感じ、行動の一歩を踏み出しやすくなります。
新人研修の初日に伝えるべき3つのこと
| ポイント | 具体例 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 歓迎の気持ち | 「来てくれてありがとう」 | 安心感・帰属意識 |
| 役割と期待 | 「今日は3つだけ覚えよう」 | 目標が明確になり行動できる |
| 失敗しても大丈夫 | 「挑戦するだけで十分」 | 心理的安全性・定着率UP |
新人が欲しいのは正確なマニュアルよりも“安心感”。この3つを伝えるだけで、辞めにくい土台がつくれます。


研修を仕組みに変える工夫

新人教育は「店長が一人で頑張るもの」ではありません。
属人的に教えるのではなく、誰が担当しても同じ成果が出せる仕組みに変えることが、定着率を高めるカギです。
✅ チェックリストでバラつきを防ぐ
人によって教える内容や順序がバラバラだと、新人は混乱します。
そこで役立つのが「研修チェックリスト」です。
初日チェックリスト(例)
□ ユニフォームの着方・身だしなみを確認した
□ 出勤・退勤の流れを理解した(タイムカードやシフト)
□ 店内での挨拶を覚えた(スタッフ同士・お客様)
□ お客様への第一声を練習した(「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」)
□ お冷・おしぼりの出し方を体験した
□ テーブル番号の確認方法を覚えた
□ 簡単な注文の取り方を練習した
□ 配膳と下げ物の基本動作を理解した
□ 手洗いルール(タイミングと方法)を実践した
□ 分からないときに「声をかける」ルールを確認した
このように項目を見える化しておけば、先輩が誰であっても最低限の教育水準をそろえられます。
✅ 先輩スタッフを巻き込む
研修を店長がすべて抱える必要はありません。
先輩スタッフに役割を渡すことで、次のメリットが生まれます。
「今日は○○さんにホールの流れを教わってね」と一言添えるだけで、チーム全体が教育体制を担えるようになります。
✅ 1日目終了時のフォローを欠かさない
初日の終わりに「今日どうだった?」と聞く時間を必ずとりましょう。
- 「覚えるのが大変だった?」
- 「困ったことはあった?」
こうした一言で、新人は「自分を気にかけてもらえている」と安心できます。
小さなフォローが離職を防ぐ大きな効果につながります。
研修は店長の腕前じゃなく“仕組み”で回すもの。小さな工夫を積み重ねれば、誰でも新人を育てられる環境になります。

まとめ|新人教育は“初日”で決まる3つの伝え方

新人研修で押さえるべき基本
新人教育で一番大事なのは「最初の印象」で不安を取り除くことです。
そのために意識すべき基本はシンプルに次の3つです。
- 初日の研修は「仕事の手順」よりも「不安を減らす」ことが最優先
- 伝えるべきは 歓迎・役割・安心 の3つだけに絞る
- 教育は属人化せず、チェックリストやチームで支える仕組みにする
この3つを押さえるだけで、新人が安心して働き出せる土台をつくれます。
「新人教育のゴールは“一人前にすること”じゃなく“辞めさせないこと”。最初の安心感が、その後の成長スピードを大きく左右します。」毎日“本当に”おつかれさまです。

研修で学んだことは、クレーム対応の現場でもすぐに試されます。
👉 続けて 「クレームが来たときに一番最初に言うべき言葉」 もご覧ください。
