SNS時代のクレーム処理術|炎上を防ぎ店の信頼を守る4つの対応ステップ
SNSにクレームが投稿されてしまう――そんな不安を抱えていませんか?
店の中での出来事が、気づけば多くの人の目に触れ、思わぬ広がり方をすることがあります。
「どう返せばいいのか」
「沈黙したほうが良いのか」
と迷い、対応が遅れてしまう店長も少なくありません。
おはようございます、“飲食おじさん”です。外食チェーンで10年間勤務し、うち7年を店長として店舗経営に取り組んできました。

本記事では、SNSでクレームが投稿されたときに必要な考え方と、落ち着いて対応する4つのステップをわかりやすく整理しました。
店の信頼を守りながら、広がりを防ぐための基本をまとめています。
✅ この記事を読むメリット
- SNSでのクレーム対応の“最初の一手”がわかる
- 炎上を防ぐための流れを整理できる
- 店の信頼を守るための丁寧な対応が身につく
「どう動けばいいのか」と迷う時間をなくし、落ち着いて対応できる道筋を一緒に確認していきましょう。
SNSのクレームは「店内クレーム」と別物として扱う

総務省の「情報通信白書(令和7年版)」でも、SNSの利用は幅広い年代に広がっており、投稿が多くの人に届きやすい環境にあることが示されています。
店の中で起きた出来事でも“外の世界”では別の姿になる
店の中で小さな行き違いがあったとしても、SNSに投稿された瞬間、その内容は「店とお客様の問題」ではなくなります。
投稿を見る人は当事者ではなく、まったく事情を知らない第三者です。そこで判断されるのは、事実の細かさではなく「どんな店に見えるか」という印象です。
店内での対応と同じ考え方でSNSに向き合うと、伝え方が強すぎたり、説明が長くなったりして、誤解を生みやすくなります。
公開の場では“姿勢”が優先される
SNS上では、正しさを競うよりも「姿勢が誠実かどうか」が重視されます。
実際に原因が店にないこともありますが、そこで反論してしまうと、投稿者以外の人から「言い訳している」と受け取られる可能性があります。
公開の場では、細かい説明よりも、
- 相手を否定しない
- まず丁寧に受け止める
- 落ち着いた調子で話す
これが何より重要です。
姿勢が整っているほど、第三者から「きちんと対応する店だ」と判断されやすくなります。
店舗対応とSNS対応は“別の仕事”として分けて考える
店内で起きたトラブルに対しては、状況確認・原因究明・再発防止という流れで対応します。
しかしSNSでは、この流れをそのまま出してしまうと説明が長くなり、意図しない受け取られ方をされることがあります。
そのため、SNS対応では「店内の対応プロセス」と切り分け、
という区分をはっきりさせることが欠かせません。
この区分があるだけで、どのスタッフが対応しても一定の品質が保てるようになります。
SNSでは、事実よりも“どう受け止めるか”が見られます。丁寧な姿勢が信頼を守ります。

最初の一言で流れが決まる:早さと丁寧さを優先する

SNSでは“正しい情報より早い反応”が求められる
SNSにクレームが投稿されたとき、多くの店長がやってしまうのが「まず事実確認をしてから返信する」という行動です。
しかし、SNSではこの順番が逆になりがちです。事実がまだ整理できていなくても、何も返さず時間だけが過ぎると、投稿を見た人の中で不信感が広がってしまいます。
最初の反応が遅れると、「対応が遅い店」「無視している店」と受け取られやすくなり、不要な誤解を招いてしまいます。
最初の返信は“短く・丁寧に・否定しない”
いちばん大事なのは、最初の一言で「誠実に向き合う姿勢」を示すことです。内容を深掘りして説明する必要はありません。むしろ、説明が長すぎると火に油を注ぐことがあります。
- 丁寧な言葉で受け止める
- 状況を確認していることを伝える
- DMで詳細を伺う案内をする
たったこれだけで、第三者が見たときの印象は大きく変わります。
やってはいけない“反応パターン”を避ける
SNSで悪い印象を与える多くの対応には共通点があります。
これらはどれも、店の印象を悪くする原因になります。
初動で大切なのは「事実の勝ち負け」ではなく、「どう向き合うか」を伝える姿勢です。
相手の言い分をその場で判断しようとせず、一度受け止め、落ち着いて対応を続けることが重要です。
最初の一言が、広がるか静まるかの分かれ道です。早く、丁寧に、落ち着いていきましょう。

👉 クレーム対応で迷わず動ける基準を知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

公開の場では短く、詳細はDMへ誘導する

✅ 公開の場での長いやり取りは誤解を広げる
SNSでのクレーム対応は、「どこで何を話すか」がとても大切です。
公開の場で細かい説明をしようとすると、どうしても文章が長くなり、投稿者の意図とズレたり、第三者が途中だけ読み取って誤解したりします。
また、説明が増えるほど「言い訳に見える」というリスクも大きくなります。
そのため、公開の場では必要以上の情報を出さず、短く丁寧に返信することが基本です。
✅ DMへ誘導することで冷静なやり取りができる
公開の場でのやり取りを最小限に抑え、具体的な確認はDMでおこなうことで、相手の感情が落ち着きやすくなります。
DMは周りの目がないため、相手も本音を伝えやすく、こちらも時間をかけて整理しながら返信できます。
DMへ誘導する際は、次のような文が適しています。
押しつけにならず、誠実さが伝わる言い方です。
✅ 店側を守る“記録として残る”というメリット
DMでのやり取りには、もう一つ大きなメリットがあります。
それは「やり取りが記録として残ること」です。投稿内容に誤解があった場合でも、DMなら落ち着いて状況を説明でき、後から振り返ることもできます。
記録が残ることで、万が一トラブルが長引いても、対応内容を第三者に正確に伝えられます。
これは店側のリスク管理としても、非常に役立つポイントです。
✅【SNSクレーム対応の4ステップ】
公開の場は“姿勢”だけ。丁寧な話し合いは、静かな場所で進めるのが安心です。

まとめ|SNS時代にクレームを広げない対応ステップ

SNSクレームを鎮めるための4つの基本ポイント
- SNSでのクレームは店内対応とは別物として扱う
- 最初の一言は“早さと丁寧さ”を優先する
- 公開の場では短い返信にとどめ、詳細はDMで確認する
- 記録が残る形で対応し、誤解や拡大を防ぐ
SNSは第三者が見ている場だからこそ、細かい説明よりも「誠実な姿勢」が何よりも評価されます。
対応の順番が決まっていれば、どのスタッフでも落ち着いてやり取りでき、店の信頼を守りやすくなります。
「SNS対応は、慌てず丁寧に流れをつくるだけで安心につながります。」毎日“本当に”おつかれさまです。

👉 スタッフの接客を一定に保ちたい方は、次の記事も参考にしてください。