クレーム対応

常連客の不満をチャンスに変える方法|信頼を取り戻すクレーム対応3ステップ

sawamurakazuya41@gmail.com
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「いつも来てくれる常連さんに、“前より味が落ちた”と言われた……」そんな経験はありませんか?

「昔の方が良かった」

「最近スタッフの対応が雑になった」

常連からの言葉ほど堪えるものはありません。しかし、その一言こそが信頼を取り戻すチャンスになることがあります。

おはようございます、“飲食おじさん”です。外食チェーンで10年間勤務、うち7年を店長として店舗運営に取り組んできました。

飲食おじさん
飲食おじさん

本記事では、常連客からのクレームを“信頼を深めるチャンス”に変える3つのステップを紹介します。

✅この記事を読むメリット

  • 常連がクレームを言う本当の理由がわかる
  • 感情的にならず信頼を取り戻す流れを理解できる
  • 次回来店につながる“誠実な対応法”を学べる

クレームは「終わり」ではなく「再スタート」の合図です。最後まで読めば、不満をチャンスに変える対応力が自然と身につきます。

常連客のクレームが起きる本当の理由

居酒屋の提灯が並ぶ夜の街の風景

常連客からのクレームは、突然のように見えて、実は小さな違和感の積み重ねが限界に達した結果です。

その一言の裏には、「前はもっと良かった」「またあの頃に戻ってほしい」という思いが隠れています。

常連のクレームは“信頼の裏返し”

初めて来たお客のクレームは、多くの場合「商品やサービスそのものへの不満」が中心です。

まだ店の雰囲気や人を知らないため、評価の基準が「味」「スピード」「価格」「清潔さ」といった目に見える体験に限られるからです。

一方で、常連のクレームは「信頼のズレ」から生まれます。

たとえば──

「前より味が落ちた」=“いつも通り”を期待していた

「スタッフが雑になった」=“心地よさ”がなくなった

「店長がいないと雰囲気が違う」=“人への安心感”が揺らいだ

常連の中には、「もう来ないつもり」で言う人もいれば、「改善してくれるならまた来たい」と思っている人もいます。

どちらにせよ、その言葉をどう受け取るかで、関係を閉じるか、再び開くかが決まります。

店側が気づかない“慣れの落とし穴”

常連が増えるほど、日常が当たり前になり、確認の目が甘くなります。

  忙しいときほど笑顔や声かけが減る

  味付けや盛り付けのブレを見逃す

 「いつものお客だから大丈夫」と思い込む

お客は、こうした小さなズレを敏感に察知します。“いつも通り”を信頼して通っていた人ほど、変化に強く反応するのです。

不満が表に出るまでのサインを見逃さない

クレームになる前に、わずかな変化が見えることもあります。
必ずではありませんが、常連が少しずつ離れていくときには、どこかに“温度の低下”が表れます。

たとえば──

  • 来店の間隔が以前より空く
  • 滞在時間が短くなる
  • 会話や挨拶が減る

こうした行動は、はっきりした不満というより関心の薄れです。お客は「もう来ない」と決めているわけではなく、気持ちが離れかけている状態。

だからこそ、変化に気づいた時点で声をかけることが大切です。「最近どうですか?」とひと言添えるだけで、まだ関係をつなぎ直せる余地があります。

大事なのは、「問題をなくすこと」ではなく、ズレを早めに察知して修正する姿勢です。

クレームを信頼回復につなげる3ステップ

不満を感じる人と戸惑う人を表す木製の人形

クレーム対応で一番大切なのは、「早さ」でも「謝り方」でもありません。大事なのは、“どんな気持ちで向き合うか”です。

お客の言葉の裏には、「まだ信じたい」「変わってほしい」という感情が隠れています。その声をきっかけに、関係を立て直すための流れを整理しておきましょう。

ステップ① まず“常連であること”に感謝を伝える

最初に伝えるべきは、謝罪よりも感謝です。「いつもありがとうございます」と一言添えるだけで、相手の「自分は大事にされている」という感情が戻ります。

いきなり謝ると、「とりあえず謝っているだけ」と受け取られやすく、防御的な印象になります。

最初に感謝を伝えることで、「この人はちゃんと理解してくれる」と相手の心が開きやすくなるのです。

ポイント

「いつもご利用ありがとうございます」を第一声にする

反射的に言い訳をしない

表情・姿勢・声のトーンで“誠実さ”を見せる

ステップ② 背景を聞き、行動で示す

クレームを受けたら、まず相手の話を最後まで聞くこと。途中で口をはさむと、相手の不満が「理解されない怒り」に変わります。

聞き取りの目的は、何が起きたかよりも、「どんな気持ちだったか」を把握すること。        「それは残念でしたね」「そう感じられたんですね」と、相手の感情を受け止めるだけで、空気は一気に和らぎます。

そして対応の最後に、「次回までにこうします」と具体的な約束をすること。口先の謝罪よりも、“変化を見せること”が最大のリカバリーになります。

ポイント

最後まで話を聞く(遮らない)

感情を受け止める言葉を使う

改善点を一つだけ明確に伝える

次回来店時に「前回の件」を自分から触れる

ステップ③ 次の来店で“変化”を見せる

対応を終えたら、それを「次にどう見せるか」が信頼回復の決め手です。

「前回の件は改善いたしました」

と自分から伝えるだけで、相手は“覚えていてくれた”と感じます。

また、変更点を誰でも分かる形で残します。接客手順や品質チェックの方法など、形にすることで再現性が生まれます。

クレーム対応3ステップの全体整理表

ステップ対応の目的主な行動期待できる効果
① 常連であることに感謝を伝える関係の温度を戻す第一声で感謝を伝える相手の警戒を解く
② 背景を聞き、行動で示す不満の核心を把握する話を遮らず聞き、次回の改善を約束信頼が再構築される
③ 店全体で再発を防ぐ継続的に質を保つ記録・共有・確認の仕組みを作る同じクレームを防止する

クレーム対応は、言葉で終わるものではなく、行動で信頼を取り戻すことが大切です。変化を見せたときに、信頼は戻り始めます。

飲食おじさん
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同じクレームを防ぐ考え方

「Chance」と書かれたメモとペンの写真

クレームは、対応で終わらせず「次に同じことを起こさない」ための材料にします。

店の状況は常に変わるため、一度の反省では足りません。重要なのは、失敗を一つの情報として扱う姿勢です。

起きたことを「記録」ではなく「資源」に変える

クレームを事例として残すと、次の判断が早くなります。

記録を作る目的は、責任の所在を明らかにすることではありません。同じ状況が起きたときに、誰でも正しい対応ができるようにするためです。

  • 内容と状況を一行でまとめる
  • 解決に至った要因を一つだけ残す
  • 感想ではなく、事実を書く

学んだことを実際の運営に取り入れる

対策を作っても、現場で使われなければ意味がありません。

報告やミーティングのときに一度だけ確認し、次に同じ場面が来たらどうするか」を明確にします。

新人にも分かるように一文でまとめる

実際の行動に変換する

必要があればツールや掲示に反映する

習慣にすれば、同じクレームは減っていきます。

クレームは“失敗”ではなく、“判断を磨く材料”です。起きたことを活かせば、店は確実に強くなります。

飲食おじさん
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まとめ|常連客の不満を信頼回復につなげる考え方

いいねの手とひらめきを表す電球のオブジェ

クレームをチャンスに変える3つの要点

  • 常連の不満は「関係が終わる合図」ではなく「信頼を確かめる機会」である
  • 感謝・傾聴・行動の3段階で対応すれば、信頼は戻る
  • 対応を記録し、全員で共有することで同じミスを防げる
  • 一度の対応を店全体の判断基準に変えると、再発を減らせる

クレーム対応は、問題を処理する仕事ではなく、信頼を維持する行動です。誠実に対応を重ねれば、常連との関係はより強くなります。

クレームの数は減らすより、活かすことが大切です。不満の中に改善の種があります。」毎日“本当に”おつかれさまです。

飲食おじさん
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外食チェーン出身ブロガー
飲食店の採用・教育・接客・売上管理を、仕組みで改善するノウハウを発信。外食チェーンの現場で培った経験をもとに、店長・スタッフの悩みを解決します。愛読書:ドラッカー全般(時代を超えて揺るがない普遍の経営哲学が大好きです!)
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